北京最終日、
もう一つの中国最高学府・北京大学へ行く。
リモートセンシング・GIS研究所(Institute of Remote Sensing and Geographical Information System)を訪問するのが目的だ。
ちなみに、この研究所は、大学内のリモートセンシング棟という建物に位置する。
右の写真のように、リモートセンシングのことを中国語では「遥感」と表記する、と
今回一緒に研究所を訪問する東京大学・竹内先生に教えてもらう。
漢字の雰囲気は分かるけど、やはり教えてもらわないと分からない。
RS&GIS研究所のLiu教授が対応してくる。
北京大学には、GISに関する3つの研究センターがあり、
ESRI ArcGISのサイトライセンスを導入している(ちなみに、清華大学も)。
- Institute of Remote Sensing and Geographical Information System
約30年前に設立。地理学科を中心に、多様な分野の教員によって構成される。教授・准教授がそれぞれ15名程度、スタッフが10名程度。
主に、3つの部門によって構成される。
1) GIS理論(GI Science)
2) ソフトウェア開発:Peer to Peer、テラバイトに対応する(?)次世代型GISソフトウェアの開発など。独自のGISソフトウェア・ソフト(City star?)も開発したという。
3) 応用研究: 災害対応(がけ崩れ)、土地利用規制など
- Center of Geographical Information System
約10年前に設立。コンピュータ・サイエンスの学科が中心となって、ソフトウェア開発を行う。
- ArcGIS Teaching and Applied Research Center
2008年1月、ESRIと北京大学にて共同設立。ESRI製品を使ったGIS教育・研究を推進すると主に、ソフトウェアの研究開発も行う(→中国科学技術省)
個人的には、これらのセンターが、ハーバードと同じように、
GISをツールとして、大学内の分野融合型の
学際研究を推進するような活動を行っているのか?
という点に一番の関心があった。
しかし、Liu教授は、
「特にそのような活動は行っていない」
と仰っていた。
・やはりそれぞれの研究者の興味の対象は異なるので、
そのような活動を推進しても効果は薄い。
・興味や関心があれば、個人個人の研究者単位での共同研究や
学際研究が行われるので、特にGISによる学際研究の推進といった
キャンペーンを展開するつもりはない、
とのことであった。
2006年、ESRIのサポートを受け設立された、
ハーバードのGISセンターはGISによる学際研究の促進と
それによる新しい学問分野の創出などをその使命と掲げている(と思う)。
2008年、同様にESRIが北京大学に多大なサポートを行ったとの噂を耳にしたので、
今回の訪問に至ったのであるが、北京大学では上述のArcGIS Teaching and Applied Research CenterにおけるArc GISソフトウェアの研究開発を中心に行っているのかもしれない。
今回は、実際に北京大学に行くまでほとんど情報が無かったので
(英語版Websiteが全く存在しない!)、
内部の実情が全く分からなかったが、
機会があれば、ArcGIS Teaching and Applied Research Centerの活動も調査してみたい。
それにしても、ハーバード、北京大学と、
次々とGISのセンターを立ち上げるESRIの世界戦略って、一体・・・?
明日は、東京でGIS学会に参加。
再見、北京!
≪写真・上2~4 北京大学キャンパス≫
清華大学と比べて、中国風の建築物が多く、歴史を感じるキャンパスだ。
≪写真・下 竹内先生、Liu教授と≫