2008年4月24日木曜日

カナダ・ハミルトン

国連大学は世界13ヶ所に研究所を持つ(東京は本部)。

その一つ、国連大学プログラム「水・環境・保健に関する国際ネットワーク」(UNU/INWEH: International Network on Water, Environment and Health)の会議に出席すべく、カナダのオンタリオ州ハミルトンに来ている。
ハミルトンは、五大湖の一つであるオンタリオ湖のほとりに位置する街であり、トロントとナイアガラ滝の中間地点である。

今回の出張の目的は、「国連大・合同メコン川研究計画会議」。
東京とカナダ、ドイツ、マレーシア、韓国の国連大研究所およびその関連機関が、合同でメコン川研究を企画するためのワークショップを3日間にわたって実施した。
それぞれの研究所で専門とする研究領域が異なるため(水文、水質、農薬管理、塩害、公衆衛生、GIS!?)、どのようにお互いの強みを生かした連携を図るのか、といったことを議論した。各国の研究所が一つの目標に向かって共同で研究計画を策定するのは初の試みであったため、今回のワークショップの成果である研究計画自身はやや漠然としたものであったが、世界に散らばる5つの機関が一堂に会して、合同で研究計画を策定するというそのプロセスの意義が大きかったと思われる。

自分は、やはりGISを中心とした情報プラットフォームの構築、およびArc Hydro modelによるwater flowデータベースの構築、水文シミュレーションとの連携に関する提案を行い、全体の研究計画に組み込んでもらった。



「国連大・ディレクターズ会議」
ちょうどメコン川研究計画会議が終わった次の日から、この会議がUNU/INWEHで開催されるということで、オブザーバーとして会議に参加させてもらった。この会議は、毎年持ち回りで各国の研究所で開催されているみたいだが、今年はここカナダでの開催。

この会議は、学長をはじめ、各国の国連大・研究所の所長や研究プログラムの代表者が集まって、今後の国連大の運営方針や研究の方向性について話し合うという、いわゆるハイレベル会合。
会議では、大学のパンフレットに書いている様なビジョンやミッションの文面についての細かな議論から、研究所内のプロジェクト・マネジメント、今後の連携先や予算といった大学全体のダイレクションに関する重大なことまで、2日間にわたり約30名で議論を行っていた。研究所が世界中に点在し、多様な人種がその運営に関わる国連大の運営方針をまとめるのは容易ではない。
感想としては、「学長や研究所長などのお偉方の業務って、ホント大変そう。。。。」


5日間の滞在を通して、各国のいろいろな方々に会うとともに、国際的組織の運営の在り方についてその一端を垣間見ることができた。

研究以外の面で学んだことは(?)、「国際社会は、完全割り勘制」。身分も年齢も性別も関係なく、食べた分・飲んだ分だけ自分で払う。
アジア方面の方々と食事をするときは、奢ったり奢られたりが基本であり、東京の国連大スタッフの方々と食事をする時も大体そうすることが多いが、各国の多様な文化を持つ人々が一堂に会するときは、完全割り勘が基本なのかもしれない。