客員研究者(Visiting scholar)である自分にとって、卒業式は全く関係ないのであるが、米国の卒業式、そしてそのメイン・イベントがどのようなものかここ数日、ずっと気になっており、それに参加するのを心待ちにしていた。
ところが、、、、
今日の卒業式イベントには、「入場券」がないと入れない!
自分は数日前に初めてその存在を知ったのだが、入場券の配布枚数には限りがあり、卒業生の家族ですら入場券を入手するのは容易ではないという。実際、数日前には「お金を払うから、入場券を譲ってくれ!」という張り紙が学内に張られていたほどである。当然自分は、そんな券など入手しているはずもない。
しかし、ハーバード・ヤードに入るための全ゲートには、スタッフおよび警察官が立っており、入場券を厳しくチェックしていた≪写真・最上段≫。そして、その奥には、「Bag check」と書かれた立て看板、机とスタッフが配置され、中にはボディチェックまでされている人もおり、さながら空港のセキュリティ・チェック並みの厳重警備であった。
もちろん、数十台のカメラを駆使して撮影されているライブ映像の方が、会場全体の雰囲気から儀式の詳細までを見るには断然優れているのだが、自分としては会場に身を置くことで、その盛り上がり・感動を体感したかっただけに、少し残念。。。
しかし仕方がなく、Piece Hallの教室でライブ映像を見ていると、日本人びいきのポーランド人教員・レナータが自分を見つけて近寄ってきてくれて、「今年は自分の研究室の卒業生はいないから、これあげるよ!」と言って、親切に午前・午後の卒業式イベントの入場券を譲ってくれた。超ラッキー!
この日は天候が悪かったため、主催者の方で午後の入場者は少ないと判断したためか、午後の入場規制は行われなかった。それでも、主に学長とゲスト・スピーカーによる講演が中心である午後のイベントには、会場内には溢れんばかりの人が集結していた。昨年のゲスト・スピーカーは、ビル・ゲイツとビル・クリントンであったらしいが、今年はハリー・ポーッターの作者J.K. Rowling氏であった(⇒ゲスト・」スピーチの様子は“その4”に記載)
最後に、ハーバード大学の校歌斉唱などがあって、夕方の16時ころ、午後の卒業式イベントは終了。
これで終わりかと思いきや、、、、
学生達は、様々な形態・色のガウンを着ているし(恐らく、所得学位によって異なる)、参加者の中にはシルク・ハットや蝶ネクタイをしているジャントルマンズやハリー・ポッターの世界の中から出てきたような魔法使いや長老(?)みたいな恰好をしている人もあちらこちらにいらっしゃった≪写真・下から3番目≫。
もちろん、本来は無料ではなく(!?)、卒業生やその家族、同窓生のために用意されたものであるが、気前のいいハーバード大学は、ある程度正規の人へ配ったことを確認すると、残りものを僕らのような一般庶民にも分け与えてくれる(笑)。残りものとは言っても、正規の人に配ったものと全く同じものであり、しかもその量も半端ではなく、ビール、ワイン、シャンパンなども飲み放題に近いところもあった。お陰様で、これまでの人生で一番美味しく、大きいロブスターを頂くこともできた。自分の中では完全に、「ハーバードの卒業式=でかいロブスター」とインプットされてしまった(笑)。
この3日間続いていた卒業式イベントも今日で終了。
明日からは、通常のキャンパスに戻ってしまうのが、少しさみしい。
まとめとして(?)、ハーバード大の卒業式は、現役の卒業生ばかりでなく、
往年の同窓生も集結する場であり、大学もとても重要なイベントとして捉えている。
加えて、卒業とは全く関係のない人までも楽しめる懐の広さも持ち合わせており、
まさに学園祭のような3日間であった。