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2009年6月15日月曜日

現地調査

2週間前、ラオス・カンボジアの現地調査から戻った。

旅行中、「一言でもいいから、できる限り毎日ブログに記録を残そう!」と心に誓うが、
たった二日で断念。。。ボストンに戻った後も、
日々の忙しさに追いやられ、更新が完全にストップ。
あぁ、、情けない…。


ラオス・カンボジアでは、現地の中央省庁や地方自治体、
メコン川委員会、世界銀行やアジア開発銀行など、
メコン川管理にかかわる多くの機関を効率よく、訪問することができた。

やはり現場で活躍する人の話を聞いたり、
実際に現地に足を踏み入れることで、
得られる情報はものすごい。

(以前から)インターネットで検索可能な情報でさえも、
現地に行ってヒントを得なければ、
そこにたどり着けないこともある。


以下のラオスとカンボジアのGISアトラスのWebsiteも、
ふと入ったヴィエンチャンとプノンペンの本屋で、
これらの書籍を見つけたのがきっかけ。


Socio-economic Atlas of the Lao PDR
 http://www.nsc.gov.la/Atlas/Index.html

The Atlas of Cambodia - National Poverty and Environment Maps
 http://www.cambodiaatlas.com


後発開発途上国(LDCs: Least Developed Countries)に分類される、
ラオス・カンボジアでも、先進国の支援のもと、
この数年で、超良質のGISデータが国中で整備されている。
2年前、同じくLDCsであるバングラデシュを訪れた際も、
GISデータの整備には目を見張るものがあった。


これから、今まで以上に、
“GISデータの活用”が問われる時代に突入していく。
GISを活用することで、それ以前と比べて、
何が、どう変わるのか、を明確に示していかなければ。

2009年5月17日日曜日

ラオス・ヴィエンチャン

現地時間の夜9時前に、ラオス・ヴィエンチャンに到着。
気温31℃。飛行機を降り立った瞬間、いきなり蒸し暑い。

ラオスは2007年11月以来、2回目。
ヴィエンチャンの中心街にある、前回と同じホテルに宿泊。

中心街といっても、自分の故郷・宮崎県日南市(人口4.5万)の
中心街(油津)より小さい感じで、
一国の首都かつ最大の都市とは思えないほど、何もない。
素朴で、昭和20年代の日本の街みたいなイメージだ
(その時代、生きてないけど…)。

世界中どこに行っても、似たような近代都市が乱立するこの時代、
この何もない、未開発の素朴さが、ラオスの最大の魅力でもある。



さて、タイ・バンコクのスワンナプーム空港にて、
ラオス航空に乗り換える際、一旦タイへの入国手続きをとった。

入国審査ゲートで並んでいる際、日本からの飛行機が到着したらしく、
日本人のグループが大勢で審査ゲートへやってきた。

その時、日本旅行者の7割程度が、白いマスクをしていて、
とても驚いた!
「日本でのインフル報道は凄いことになっている!」とは聞いていたが、
バンコク空港にて、それを目の当たりにするとは。


ボストン空港、ロンドン・ヒースロー空港では
一人もマスクはしていなかった。
もちろん、自分が搭乗した飛行機にも、マスク着用者はいなかったが、
搭乗者の半分がマスクをしている飛行機に乗ることを考えると、
それだけで気分が悪くなりそう(苦笑)。

もちろん、最大限の予防策をとるにこしたことはないと思いますが、、。


自分が見る限り、各空港での対応は以下の通り。
米国や欧州のほうが深刻な筈なのに、
彼らは対応を怠っているのか?、それとも、
アジア各国が神経質なのか??
(まあ、タイ・ラオスは、「一応、対策しています!」と
 パフォーマンスしているようにも見えた(笑))

■ アメリカ・ボストン空港: 
 問診票記入なし、検疫なし、マスク着用者なし

■ ロンドン・ヒースロー空港: 
 問診票記入なし、検疫なし、マスク着用者なし

■ バンコク・スワンナプーム空港: 
 問診票記入あり、体温測定機+医療関係者が待機、マスク着用者大勢(主に日本人+その他アジア人)

■ ラオス・ビエンチャン空港:
 問診票記入あり、医療関係者が待機、マスク着用者なし



雨季のメコンで調査を行う自分は、
新型インフルより、マラリアの方が怖く、
早速今日より、ワクチン服用なのです。

2009年5月16日土曜日

メコンへ

明日から2週間、ラオス・カンボジアへ。

昨年、ボストンからタイ・バンコクへ行った際は、
シカゴ・東京経由で、
乗り継ぎ時間を含めて30時間以上かかった。
(⇒2007年5月2日 アジア工科大学

今回のロンドン経由だと、バンコクまでを3~4時間短縮できる見込み。
そしてバンコクでラオス航空に乗り換えて、ラオスの首都ビエンチャンへ。


今回は、Peter(教授)と一緒なので、
出張スケジュールを組む際、バンコクで一泊することを提案した。

Peterはとてもタフで、頻繁に海外出張にも行っているが、
4月に72歳になった彼にとって、
ラオスまでの片道24時間のフライト+8時間の乗継待ち合わせは、
さすがにシンドイだろう心配した。

しかし彼は、ためらいもなく、
「時間とお金(ホテル代)がもったいない!
その日に飛行機があるなら、さっさとラオスへ行こう!」
と即答。

自分の中の72歳像が大きく変わる。
ちなみに、彼は65歳まで、
毎日週3回プールで泳いでいたという。


彼より半分以上若いのに、
長距離フライトをためらう自分を反省。

2009年3月25日水曜日

トルコ・イスタンブール

3月15日から、
第5回世界水フォーラム
(16日~22日:⇒リンク)+αのため
トルコ共和国 に来ている。

水フォーラムの最中やその後の日々も、
毎日何かと余裕がなく、
全然ブログがアップできていない…。

気がついたら(?)、本日がトルコ最終日で、
明朝にはイスタンブールを出発して、
米国へ向かう。


今までの経験からして、
書きたいことが溜まればたまるほど、
それに対処できなくなり、
最終的に何も書かないまま終わってしまう。


今回のトルコもそれになりかねない。

これからは文章を少なくして、
もっとマメに書いていけるような
日記スタイルを目指して見ようかな。






2008年11月1日土曜日

東京ふたたび

今年5月に続き、再び東京へ。

2月初旬の渡米の際、
まさか年内に2回も帰国することになるとは
想像していなかった。

今回の東京滞在(10月23日~)は、
身内の結婚式とGIS学会の参加が主目的であるが、
こちらのボスとの研究打ち合わせや
その他業務遂行のために、
今回は長めの滞在である。

これまでの8日間は、
表参道、駒場、横浜+αを
行ったりきたりで、ドタバタであったが、
たくさんの方々に会うことができた。


特に、表参道、駒場、横浜の先生方からは、今後の研究の進め方に関する、短期的・長期的両面での、多くの有益なアドバイスをいただいた。

各先生方とも、
それぞれの分野のパイオニアとして、超多忙を極める方々であるが、海外にてフラフラと好き勝手に(!?)進めている自分(川崎)の研究に対しても、多くの時間を費やして、惜しみなく情報やアイデアを提供してくださる。

パイオニアといわれる人は、
自分の持つ情報やアイデアを出し惜しみしない。

そして結果的に、その数倍の情報やアイデアが
そこへ戻ってくる。
これはどこの国でも、いつの時代でも
変わらない世の原理なのだろう。



さて、コンビニへ行くたびに、
袋いっぱいに買い物をしてしまう。

アメリカで甘いものに目覚めてしまったせいか、以前は全く目がいかなかったデザートやお菓子をついつい手に取り、カゴの中へ…。

どれも包装からして美しいし、安価で美味しい。

外国人が、「日本のコンビにって楽しい!」という気持ちが良く分かる。


自分は、米国で甘いものばかり食べていたので、太っていると思っていたが、こちらに戻り体重を量ったら、減っていることが判明。

この14日間、外食やコンビニ食が続いているので、きっと元に戻っているのだろうけど。


残り数日、何食べよう?



≪写真 表参道・国連大にて≫

2008年10月24日金曜日

北京大学

北京最終日、
もう一つの中国最高学府・北京大学へ行く。

リモートセンシング・GIS研究所(Institute of Remote Sensing and Geographical Information System)を訪問するのが目的だ。

ちなみに、この研究所は、大学内のリモートセンシング棟という建物に位置する。
右の写真のように、リモートセンシングのことを中国語では「遥感」と表記する、と
今回一緒に研究所を訪問する東京大学・竹内先生に教えてもらう。
漢字の雰囲気は分かるけど、やはり教えてもらわないと分からない。


RS&GIS研究所のLiu教授が対応してくる。

北京大学には、GISに関する3つの研究センターがあり、
ESRI ArcGISのサイトライセンスを導入している(ちなみに、清華大学も)。

- Institute of Remote Sensing and Geographical Information System
 約30年前に設立。地理学科を中心に、多様な分野の教員によって構成される。教授・准教授がそれぞれ15名程度、スタッフが10名程度。
 主に、3つの部門によって構成される。
 1) GIS理論(GI Science)
 2) ソフトウェア開発:Peer to Peer、テラバイトに対応する(?)次世代型GISソフトウェアの開発など。独自のGISソフトウェア・ソフト(City star?)も開発したという。
 3)  応用研究: 災害対応(がけ崩れ)、土地利用規制など

- Center of Geographical Information System
 約10年前に設立。コンピュータ・サイエンスの学科が中心となって、ソフトウェア開発を行う。

- ArcGIS Teaching and Applied Research Center
 2008年1月、ESRIと北京大学にて共同設立。ESRI製品を使ったGIS教育・研究を推進すると主に、ソフトウェアの研究開発も行う(→中国科学技術省

個人的には、これらのセンターが、ハーバードと同じように、
GISをツールとして、大学内の分野融合型の
学際研究を推進するような活動を行っているのか?
という点に一番の関心があった。

しかし、Liu教授は、
「特にそのような活動は行っていない」
と仰っていた。

・やはりそれぞれの研究者の興味の対象は異なるので、
そのような活動を推進しても効果は薄い。
・興味や関心があれば、個人個人の研究者単位での共同研究や
学際研究が行われるので、特にGISによる学際研究の推進といった
キャンペーンを展開するつもりはない、
とのことであった。


2006年、ESRIのサポートを受け設立された、
ハーバードのGISセンターはGISによる学際研究の促進と
それによる新しい学問分野の創出などをその使命と掲げている(と思う)。

2008年、同様にESRIが北京大学に多大なサポートを行ったとの噂を耳にしたので、
今回の訪問に至ったのであるが、北京大学では上述のArcGIS Teaching and Applied Research CenterにおけるArc GISソフトウェアの研究開発を中心に行っているのかもしれない。

今回は、実際に北京大学に行くまでほとんど情報が無かったので
(英語版Websiteが全く存在しない!)、
内部の実情が全く分からなかったが、
機会があれば、ArcGIS Teaching and Applied Research Centerの活動も調査してみたい。

それにしても、ハーバード、北京大学と、
次々とGISのセンターを立ち上げるESRIの世界戦略って、一体・・・?


明日は、東京でGIS学会に参加。

再見、北京!


≪写真・上2~4 北京大学キャンパス≫
 清華大学と比べて、中国風の建築物が多く、歴史を感じるキャンパスだ。

≪写真・下 竹内先生、Liu教授と≫

2008年10月20日月曜日

清華大学 その1

中国・北京の清華大学へやってきた。
目的は、「第7回アジア地域の巨大都市における
安全性向上のための新技術に関する国際シンポジウム
」(な、長い!)
に参加するためだ。

清華大は、フリードマンの『フラット化する世界』でも紹介されていた通り、中国の理工系最高峰大学、というかもはや、アジアを代表する大学の一つである。

清華大学に来るのは、2005年10月、2006年12月(⇒レポート)に続いて、3度目である。
また、今年9月から、ハーバード大の自分が所属する研究室に、
清華大から一年間の交換留学生(シャン)がやってきており、
ここ数年、何かと縁がある。


今回の北京は、
到着初日(深夜)にホテルへ行ったら、
部屋の予約が取れていなかったり(海外では良くあることだけど…)、
翌日の朝食時は、レストランにてオジサンにぶつかられて、
洋服がスープまみれになったり(スーツじゃなくて良かった…)と、
何かとついていない。


シンポジウム前日の今日は、
シャンの指導教授との面会の予定。

清華大学のキャンパスは、
ものすごく広大であるが(2km×1.5km)、
すでに3回目なので、大学内の配置も
大よそ分かっているつもりだった。

なので、行き先周辺のみを拡大した地図を片手に、キャンパスすぐ傍のホテルから、教授のオフィスへ歩いて向かった。
教授との面会の前に、オフィス近くの食堂でランチを食べるつもりで、大幅な時間の余裕をもってホテルを出発した。

ところが、、、

これまでに行ったことがない西南門から、キャンパスへ侵入していったせいか、途中で、思いっきり道に迷ってしまった。。。

しかし自分は、方位に強い方なので(過信)、
人に道を尋ねることもなく、
テクテクと歩き回っていたら、
そのうち完全に包囲を失ってしまい、
どんどんドツボにハマっていった…。

その後、完全にお手上げ状態になったので、自分のちっぽけかつ誤まったプライドを捨て(?)、
周囲の人に道を尋ね始めた。


ところが、英語で話しかけると逃げられたり、立ち止まってくれても英語の地図を見せると、首を横に振り、立ち去られ続ける。

「地図だったら、言葉は関係ないのでは?」と思いつつも、次回からは現地語の地図も一緒に用意することを考える。


しかし、アポイントの時間も迫ってきてるので、
とにかく場所を教えてくれる人を探すしかない。

その後、純朴そうな学生に声をかける。

彼はその場に立ち止まって、
一緒に地図を見てくれた。
あまり英語が喋れない感じだったが、
一生懸命地図を見て、
現在地と行き先を教えてくれた。

自分は、とんでもないところへ迷い込んでいたみたいで、
目的地までの距離は結構ある。
もはや、ランチを諦めても遅刻は必至!
ということが分かった。

「謝謝!」と彼に握手をして、
教えてもらった経路に従い、再び歩き出す。
時間がないので、やや早歩きでひたすら目的へ歩を進める。

そして、彼と別れて7,8分後、
後方から自転車に乗った彼が猛スピードでこちらへ向かってきた。
自分の前で、急ブレーキをするなり、
「後ろに乗りなよ!」と自転車の荷台を指去す。

「本当にいいの?」と思いつつも、時間もなかったので
彼の申し出に甘えて、「謝謝!」と彼の自転車の後ろにまたがる。

彼が少し不思議そうな顔をしながら、
自転車をこぎ出すと、フラフラ、フラフラして
まともに前に進めない。

そこで彼から、
「横向きに乗ってくれ!」と注文がはいる。

「おお~、女の子乗りかぁ!」と思い、
人生初の横乗りに挑戦。

しかし、逆に今度は、自分が横乗りのバランスが取れなく、彼の自転車をフラフラ、フラフラさせてしまう。


横乗り(女の子乗り)って、意外に難しく、
彼の腰に手を回さない状態で(!?)、
どこに重心を置き、どうやってバランスを保つのか、
それ以前に、放り出された両足をどうするのか?
よく分からなかった。

「何事も実際にやってみないと分からない」
と感心しながら、
と彼の自転車で目的地まで乗せて行ってもらった。


お陰で、アポイントの時間ちょうどに目的地へ到着!
またもや「謝謝、謝謝!」と自分の謝意を伝え、
固い握手を交わして彼と分かれる。



自分は運が良いことに、
(特に海外で)色々な人に助けてもらっている。

去年も、ラオス・パクセからの出国の飛行機に遅れそうであったが、
(それを逃したら次の飛行機は3日後!)見知らぬラオス青年が
バス停から空港までバイクに乗せて行ってくれた。

(しかも空港の手前でバイクが壊れてしまったのだが、「俺のことはいいから空港へ向かってくれ!」と、乗継バイクを拾ってくれ、彼をそこに残したまま空港へ向かい、お陰でギリギリ飛行機に間に合った!)


彼らと、これから2度と会うこともないだろうし、
直接、恩返しもできない…。


その分、自分も困った人を見つけたら、
力になってあげよう。

特に、言葉の通じない国での現地人の手助けは、
本当にありがたいので。
(インドでは騙されまくったので、
国と地域を考慮して、見極めましょう(笑))


≪写真・上から4枚 清華大学キャンパス内≫
≪写真・下 自転車に乗せてくれた青年≫



↓ 当然ですが、中国語版も出版されています。

2008年8月6日水曜日

ESRI UC その4 その他雑感など

 マップ・ギャラリー・セッションの会場。ここでは、環境保全や気候変動、防災、インフラ管理、交通・ロジスティックスなど、世界中の様々な分野でのGISの活用が紹介されており、きれいにカッコ良くデザインされた個性的なポスターがたくさん並べられている。壮観である。日本からも沢山のポスターが出展されたいた。その中でも、京都大学・新潟大学チームの震災復興GISのポスターは特に迫力があったなぁ。



GIS関連の求人・求職コーナー。

皆さん、真剣にメモ取っています……。


だって、、、
 自治体のGIS Supervisorで給料70k-90k (70,000-90,000USD)というビラもあったり、米国でのGIS Professionalの地位はやはり高そうだ。
 以前このコーナーで、マクドナルドやカルバン・クラインのGISアナリスト募集のビラを見た。今年に入って別の場所で、マッキンゼー・アンド・カンパニーがGISアナリストを募集していた。
どこか、純日本人をVISAサポート付きで雇ってくれないだろうか?





今年も、懲りずに口頭発表。
 10年前、初めてこのカンファレンスで発表して以来、すでに8回目。10年前と比べて、研究内容はそれなりに進化したと思うが(さすがにねぇ。。)、英語に関しては疑問が残る。そろそろこの状態を脱却せねば、と肝に銘じる。


 ところで、今年は日本人によるポスター発表は沢山あったが、口頭発表はとても少なかったみたいだ。
 自分が思うに、「他の国内外の学会・研究会議などに比べて、ESRI UCでの口頭発表は、かなり(良い意味で)敷居が低い」。具体的には、ほとんどの聴衆は、研究者というよりはGISの実務者であり、広い範囲でのGISの活用に関心を持っている人が多く、建設的で前向きな意見やアドバイスが圧倒的に多い。また、時間なども厳密でなく、柔軟性が高い(笑)。

 個人的に、GISユーザーはフレンドリーで、忍耐強い人が多いので(じゃなきゃGISなんてやってられない!?)、下手なカタカナ英語もじっと耐えて、にこやかに聞いてくれる人が多い気がする。
 来年以降、ESRI UCへ出席される方は、口頭発表も検討してみては如何でしょうか?

<写真・中 ホテルで発表前のコソ練に勤しむ(O氏撮影)>
<写真・下 夏の南カリフォルニアということで、ネクタイを付けている人はほとんどない。しかし、発表の際は“気合”を入れるため、敢えて愛用ネクタイを装着。まずは、カタチから。。。>




 最終日の夜は、カンファレンス会場すぐ近くの海上(?)公園にて、屋外パーティ。
 世界中のGISエクスパート、マニア、一般ユーザ、そしてその家族が、ビールとワインを片手に、GIS談義に花を咲かせる(?)。〆は、毎年恒例のESRI花火が、サンディゴ・ハーバーを彩る。

 今年も、大勢の方々に大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。




↓残念ながら、米国へは配送してくれないみたいだ。

2008年8月5日火曜日

ESRI UC その3 一般セッション

今年は、気候変動に関する特別セッション(Climate Change GIS Special Program)が多数用意されていた(約10セッション)。

自分は、その中の6セッションに参加してきたが、どこも大盛況であった。
 やはり世間で「気候変動・温暖化」と騒がれる中、「自分の街はどうなの!」と考えるのが普通である。しかし、IPCCの将来予測の空間精度は、基本的に大陸単位なので、地域単位のことはよく分からないのが現状。 そこで現在、多くの研究機関などが、地域単位での解析を始めているところであり、それに関する事例発表が沢山あった。アメリカは、「京都議定書を批准しない、環境に無頓着なけしからん国!」というイメージだが(実際、けしからんのだが…)、TVや大学の授業を受けた時、そして、このカンファレンスでの印象としては、CO2の排出削減や気候変動への対応策の策定など、積極的・先進的な対策を既に始めている米国の州政府や自治体もそれなりに多い気がする(代表:カリフォルニア州、テキサス州)。

 やはり、「自分の街の気候が変化するのか?」、「どこの建物にソーラー・パネルを設置すると、費用対効果が高いのか?」といった疑問へ答えるためには、GISは必要不可欠である。実際に、Web GISを使って、ユーザが自分の周りの状況を簡単に検索できるようなサービスを開始している自治体もあるようだ(例:Solar Boston application)。また、学校教育用に、自分の地域のこれまで、そして、これからの気候変動を子供たちが容易に分析できるようなツールも発表されていた。
 これらの発表の多くが、オレゴン州立大学のPRISM(Parameter-elevation Regressions on Independent Slopes Model) Groupの気候データを使っているようであった。このグループは、IPCCの報告書で使用されている大循環モデルの出力結果なども地域レベルにダウンスケーリングして、GIS上で利用できるようにしている(米国のみ)。
The Nature Conservancyも、ArcGIS Serverを使った気候変動解析ツール(米国のみ)を近日中に公開予定であり、当該分野のツールやアプリケーションの開発は、今後も一層進んで行きそうな予感である。


 その他、個人的に、「Water Resources User Group Meeting」、「Atmospheric User Group Meeting」、「Carbon Management and Climate Change GIS User Group」などに参加した。“分野別ユーザ・グループ・ミーティング”と聞くと、何だか入りずらそうな感じがするが、「みんなでコミュニティを作って、メーリングリストなどで情報交換しましょう!」的な雰囲気なので、同じ分野で近いことをやっている仲間を見つけるにはもってこいの場である。



↓ 「デジタルアース」を提唱したのもゴア氏。彼が大統領だったら、米国の環境対策およびGIS分野の発展は、今と大きく違っていたかもしれない。

ESRI UC その2 技術編

引き続き、カンファレンス初日のJack Dangermond社長の基調講演より、自分が気になったところをメモ的に記す。その1は、これからのGISに関する概念的な面に焦点を当てたが、その2では技術的な項目についてその詳細は触れずに、発表の全体像を記述することを目指す。


■■■ 今が、GIS on the Webの始まりの時である ■■■
 (これまでもESRI社は、Web GISの開発にかなりの力を注いできたが)今がまさに、WebとGISの能力の融合の時であり、これまでWebで主流であった単なる地図化と視覚化のはるか彼方へ、すなわち本来のGIS活用の本質である″解析能力”をWeb上でも発揮できる時がきた。

≪≪ ArcGISは、(特に政府や自治体などの組織において)共通のオペレーションを行うための、中央融合センター[Fusion center]となりつつある。
 ⇒ 緊急危機管理、住民の生活を守ること、国家安全保障、インフラ管理、軍事活動における情報の統合環境を提供する

≪≪ ArcGIS Serverも、様々な形式のマッシュアップ(複数の異なるWebサービスを統合する能力)をサポートすることで、新しい情報の共有や統合、コラボレーションを生み出していく。
(大学で出席した様々なGIS関連の会議でも、「MashUp!」はもはや合言葉(!?)。実際、こちらでも他分野における具体的な取り組み事例を見せてもらったが、これから本当に面白いことができそうな予感)

≪≪ Web GISは次の時代に突入している。
 マッシュアップの技術とArcGIS Serverの飛躍的な進展により、誰もが簡単に(知らぬ間に)Web上でGISのデータや解析に触れることができるような、オープンで、よりアクティブで高度な地理空間サービス(Geo-services)の提供が可能になりつつある。
 実際、Web上では高精度なベースマップや各種統計データ、画像データ、地質や水などの主題データが世界中のさまざなところで利用可能になってきている。これによって、GISエキスパートは、短時間でとても生産性の高い仕事をすることができる環境が整いつつある。


■■■ ArcGISバージョン 9.2⇒9.3 マイナー・アップグレード ■■■
 2年前のカンファレンスでは、ArcGIS9.2のリリースに合わせて、「netCDFなどを含んだ、時空間データ全般に対する解析機能・視覚化が拡充されました!」「カートグラフィ機能が進化しました!」「Google Earthとの連携が可能になりました!」「ArcGIS Serverでの編集・解析機能が追加されました」など、ドーン、ドーン、ドドーーンと結構派手に(?)、ArcGIS DesktopおよびServer系製品の新機能を紹介することが、初日のESRI基調講演の中心であった気がする。
 しかし今回のカンファレンスでは、そのような新しい機能や製品の紹介は少なく、その1や上に記述したように「GISのこれから」についての概念的ビジョンが中心で、技術的な項目に関しては、(バージョン9.3では)とにかくソフトウェアの使い勝手、安定性、信頼性の向上に努めたということを強調していた感がある。

■■■ ESRI社のテクニカル・サポートの大幅強化 ■■■
 前述のソフトウェアの安定性・信頼性向上とも関係があるのだろうが、ESRI社全体として、(ソフトウェア?テクニカル・サポート?)の質が38%向上したと強調していた(ただし何に対してかは、聞き逃した)。今年の2月から5月までの間に、テクニカル・サポートの対応時間が90%削減されたとも言っていた。それを表すプレゼンのグラフはやや恣意的な気もしたし、詳細は良く分からなかったが、とにかくサポートに力を入れていることを強調していた。


以下、全体的な感想

 技術的な面については、その1に書いた内容や上述の社会インフラとしてのArcGIS、Web GISをより一層確立するために、ソフトウェアの使いやすさ、安定性、信頼性の向上に、会社全体としてこれまで以上に力を入れていくことを強く表明しているような印象を持った。現場の一ユーザとしては、何よりもそれがアリガタイことである!
 (例年の初日のように)ArcGISの新機能や製品についての技術的な面を強調するよりは、今回のように、今後のGISについて、Jack社長およびESRI社のビジョンをJack社長の自ら、自分の言葉でプレゼンテーションしてもらうのが一番だと思う。技術面への関心が高い人には少し物足りなかったかもしれないが、やはりこのカンファレンスの参加者(Jack曰く、GIS Professiionals)は、GISを使って、何か楽しいこと・新しいことをやってみたい、世界を良くすることに貢献したい、という人が多いのだろうから、その人たちに長中期的なビジョンを明確に示すことはその意義が大きいと思う。


以上、筆者の意訳なので、誤訳、思い込みが含まれている可能性アリ。

2008年8月4日月曜日

ESRI UC その1 これからのGISの役割

ESRI国際ユーザ・カンファレンス(ESRI UC)が、4日~8日の5日間にわたって開催された。

今年は、世界121カ国から14,000人以上のGISスペシャリスト、およびGISに関心を持つ人々が、米国カリフォルニア州サンディエゴ市に集結した。参加者は、各国の政府・自治体、研究・教育機関、ビジネス・セクター、NGO/NPO、国際機関(国連等)など非常に多岐にわたる。

会場は、毎年おなじみのサンディエゴ国際会議場。サンディゴ・バーバーに沿って、縦長に伸びる巨大な国際展示会場である(約600m×200m弱。Google Mapでの概算)。


初日は、8:30~15:30まで、全参加者(恐らく一万人以上)が一つの会場に集結し、同一の講演を聞く。今年も、世界中の多様な分野でのGISの活用を集約したカッコいいオープニング・ムービーのあと、ESRI・Jack Dangermond社長の基調講演でカンファレンスの幕が開く。

今年は、(昨年は参加していないので分からないが)例年に比べて、Jack社長によるプレゼンテーションの時間が長かったと思われる。さらに、ArcGIS製品の技術的な進展よりも、「GISのこれからの役割」といった概念的なことに多くの時間を割いていたのではないか?

以下、Jack社長が基調講演の中で語った、「これからのGISの役割」について自分が気になったところをメモ的に記す。

■■■ GISは、世界中の様々なところに浸透しつつあり、特に以下の項目におけるGISの関わりは一層大きくなっている■■■

≪ 我々の世界の(概念的・理論的な)表現の仕方
 データ、モデル、データモデル, ワークフロー, 地図とグローブ, メタデータ

≪ (現象のメカニズム解明を含んだ)我々の世界の説明方法
 特徴、過程、明示的・暗示的関係性
 ⇒ 空間的・統合的思考(Spatially integrated thinking)

≪ 人々のコミュニケートと、人と繋がり方
 協働、学際的統合チーム、「場所」をキーとしたアプローチ
 ⇒ 地理空間情報の共有化

≪ 我々の仕事の在り方
 計測→管理→分析→視覚化→デザイン・計画→意思決定→アクションなどの一連の流れのすべての過程において、系統的・総合的・分析的・定量的・そして視覚的な“科学的”アプローチがGISによって可能になりつつある。

■■■ これからGISは、今まで以上に多分野の先進的技術へ組み込まれていくことにより、人間活動を行う上での重要な基盤ツールとしてより、より深いところまで、広く行き渡っていく ■■■
 ⇒ コンピュータ機器の処理スピードの高速化(100倍)、高度な視覚化、周波数帯域幅[訳自信なし]の開発(1,000倍)、大容量記憶装置、Web、携帯電話、GISソフトウェアの進化、そして、さらなるGISプロフェッショナルの出現と活躍

■■■ GISはこれからの社会/世界にとって必要不可欠な基盤(インフラ)となりつつある。地球環境問題を含めた世界中のあらゆる問題に対して、今こそ、GISそしてGISプロフェッショナルがアクションを起こす時である ■■■
  ⇒ 何千ものアプリケーション、何十万ものシステム、何百万のユーザなと、分野や組織を越えた強靱な礎が、世界中に作られている。


以上、筆者の意訳なので、誤訳、思い込みが含まれている可能性アリ。
Jack社長・基調講演の技術的な面に関しては、その2にて。


≪写真・上≫ 低層で、ハーバー沿いに縦長に伸びるサンディエゴ国際会議場
≪写真・中≫ Jack Dangermond社長
≪写真・下≫ 会場からのサンディエゴ・ダウンタウンの眺め

  
↓ これからのGISの役割を考える上で、必読の一冊だと思います。

2008年8月3日日曜日

プレカンファレンス・セミナー: GIS Hydro 2008 その2

午後は、Maidment教授による「CUAHSI-HIS」の紹介が中心であった。

HIS(Hydrologic Information System)とは、全米のさまざまな機関の水文観測情報、およびこれまでの研究成果を分散型ネットワークで共有するとともに、流域内の水の挙動をほぼリアルタイムで観測して、共有することができる「バーチャル集水域」の実現を目指す、という壮大な構想を持った巨大研究プロジェクトである。

米国では,研究開発支援基盤の形成として,サイバーインフラストラクチャ構想*1を推進しており,2006 年度はNSF-Wide Investments(米国科学財団・優先投資分野)5 部門の1 つとして選定されている.これは幅広い領域の科学研究をインフラ面(計算機やネットワークなど)から支援するだけではなく,その研究成果を共有し,研究者間の協働を促進することを目的としている.

その一環として,全米の100 以上の大学が参画する全米高度水文科学大学連合(CUAHSI: The Consortium of Universities for the Advancement of Hydrologic Science, Inc.) は,2004年よりHISプロジェクトを開始した。テキサス大学Maidment 教授をリーダーとしたこのプロジェクトは,これまでの水資源GIS の研究開発やそこから生まれたArc Hydroの概念や技術を基盤として,水文データの蓄積や利用に関する手法やデータの標準化などを進めている。この構想を実現すべく、サンディエゴ・スーパーコンピュータセンター(SDSC)や全米各地の大学と連携した研究開発体制を構築していることは特筆すべき点である。

2006年5月、テキサス州ヒューストンで開催された、2006 AWRA Spring Specialty ConferenceにてHISプロジェクトの進捗状況を見る機会があった。その時点ではインフラの基礎技術の検討やプロトタイプの開発がメインといった感じで、構想の実現はだいぶ先のことのように思われた。

今回の発表では、昨月にリリースされたCUAHSI HYDROLOGIC INFORMATION SYSTEM Version 1.1が紹介された。具体的な中身は、百聞は一見にしかずなので、直接下のリンクから成果物を見ていただきたい(全ての成果がWeb上で公開)。現時点では、全米50の観測ネットワークの175万地点、838万レコードの時系列データ、3億4千万のデータ値(data values)が利用可能だという。
≪≪ CUAHSI-HISトップページ リンク

Webサービス、ツール、ルール作りなど、完成度の高い多くの研究成果が公開されているが、その中で特に興味深いと感じたことを以下に列挙した。

Observation Data Model(ODM) … 各種の水文観測データをリレーショナルデータベースに格納し、検索するためのデータベース・スキーマ。

WaterML (WaterOneFlow) Web Services … WaterMLというXML形式の交換データ・フォーマットに基づく、水文データ・サーバ(データベース)とユーザの間の水文データを転送するための標準化システムWaterOneFlowというWeb serviceを開始。

HydroExcel … Excelのスプレッドシートから、上述のWaterOneFlowへ直接アクセスが可能。Excel上で、全米の水文観測データのクエリーを行い、必要なデータをスプレッドシート上で簡単に読み組むことができる。シンプルな作りである(と思われる)が、これが一番実用的で、米国中の水資源管理者/研究者に最も喜ばれるのでは?

HydroTagger … 水文情報の階層構造化(オントロジー)。

・HydroViewer version 0.5(近日中に公開予定)
水文情報の統合化を目指した、ArcGIS Serverを基盤としたWebサービス。たとえば、洪水に関するすべての記録(浸水区域ポリゴン、降水量・河川水量などの時系列データ)が全てリレーショナル・データベース上で紐付けされているので、ある水文観測地点でのハイドログラフやチャート、マップなどを、時間と空間の精度(データ解像度)を自在に変えながら、多角的にデータを分析することができる。また、各種の集計や解析の機能も付随されている。

 上述のシステムは、すべて米国内を対象としたものであるが、CUAHSIの技術を使った同様のシステムがオーストラリアの一部の地域でも進められており、今後の更なる発展が見込まれる。


 実際のところ、「バーチャル集水域」の構築とは、今の時代、誰もが考えられるアイデアかもしれない。しかし、全米の大学と強力な連携体制を作り、研究開発資金を獲得し、開発チームを組織して、実際の技術開発と運用の仕組み作りを"実現"しているところが、何よりもすごい。まさに、言うは易し、行うは難しの世界であろう。

 HISの基盤となったArc Hydroの開発は、Maidment教授の強力なリーダーシップなしには到底実現できなかったと言われている(『Arc Hydro: GIS for Water Resources』(ESRI, 2002)の冒頭より)。Maidment教授の、WebやGIS, 水文科学に関する最先端の知識や技術力に加えて、その実現に必要なチームを組織し資金を集める政治力、プロジェクトを魅力的なものにするための創造力、そして、メンバーを率先していくための情熱と強力なリーダーシップが、このHISプロジェクトも成功へ導いているのだろう。まさに、Hydro GISのカリスマである。


 実は2006年の春、Arc Hydroの応用的利用に興味があった自分は、テキサス大学オースチン校のMaidment研究室の門を叩いた。しかし、「(君が研究する)部屋が空いていない」というあまり府に落ちない理由で受け入れを断られたことがある(実際は、自分の研究テーマが彼の趣向に合わなかったことが原因だと思うが)。
 もし、あの時受け入れられていたら、今頃はテキサスのど真ん中で、カウボーイハットをかぶって馬にまたがり、このHISプロジェクトに関わっていたかもしれないと考えると、妙に感慨深かい(スミマセン、本当はオースチン校のまわりは都会です)。


≪写真・上 カンファレンスの会場周辺(陸側)≫
≪写真・下 Maidment教授の行くところ、常に人だかり(後日、UCの展示場にて)≫


*1 米国科学財団(NSF) サイバーインフラストラクチャ計画
 サイバーインフラ構築の目的は、これまでに扱えなかった大量のデータ蓄積や計算、データ流通を可能にして、人やデータ、情報、ツール、機器といった研究コミュニティにおける情報共有とそれを使いこなせる、 よりユビキタスで、網羅的なデジタル環境の実現にある。
NSF Cyberinfrastracture


↓ 米国の大学や企業に履歴書を送る人は、必見です!(5つ星)
テキサス大に履歴書を送ったときは、顔写真を入れ、年齢・性別を記入するという、日本では当たり前だけど、米国ではやっていはいけない“タブー”を犯していたことが、受け入れを認められなかった原因かもしれない(いや、それ以前に研究内容か…)。

プレカンファレンス・セミナー: GIS Hydro 2008 その1

本番のESRI国際ユーザー・カンファレンスは、月曜日から本格的に開始されるが、その前の週末には、特定の産業や分野におけるGISの活用やその技術開発に焦点を絞ったプレ・カンファレンス・セミナーが開催される*1。そのほとんどが、8:30 a.m.–5:00 p.m.の間、一つのテーマについて集中的にセミナーを行うため、特定分野におけるGISの最先端情報を入手するには最も効率が良い。

最近は、"水"GISに関わっているので、この分野の最先端を突き詰めるべく、「GIS Hydro 2008—Modeling and Managing Water Resources」に参加*2

これは、ESRIのWater resouceチームのリーダーであるDr. Dean "Water boy" Djokicやテキサス大学オースチン校のDavid Maidment教授など、Arc Hydroの開発に携わるキー・パーソンのプレゼンテーションと質疑応答により構成されるワークショップ形式の有料セミナーである。このセミナーへの参加は、2006年に続いて2回目。参加者約40人の多くは米国内の大学や政府・自治体関係者。2006年、日本からは国立環境研究所の方も参加されていたが、今回は自分一人とやや寂し。

参加者は、"水問題を扱うGISエキスパート"というよりも、"GISをツールとして利用する水資源管理者/水文学者"(Non GIS expert)の方が多いこともあり、午前は「水文学のためのGISデータとツール」や「Arc Hydroデータモデルとツールの紹介」などArc Hydroの基本事項の紹介。『Arc hydro -GIS for water resources(現在、日本語版出版準備中)の復習といったところ。
その後、水文シミュレーション・プログラム「HEC-HMS」*3や水理シミュレーション・プログラム「HEC-RAS」*4とArc Hydroの連携についての紹介があった。

と、午前中はArc Hydro関連ツールに関する説明が中心だったので、自分にとってあまり目新しいものはなかったが、流域環境や水問題に携わっていてGISに興味がある人や、Arc Hydroを使い始めたばかりのユーザにとっては、数時間でその全体像を掴むことができるので、お勧めのコースと言えよう。
午後は、その2へ続く。

≪写真・上 会場はサンディエゴ・ハーバーのすぐ傍≫
≪写真・下 Maidment教授(左)とWater Boy・Dean(右)≫



*1 プレカンファレンス・セミナー全般に関する日本語資料 リンク

*2 98年から始まったGIS Hydroセミナーの全資料がダウンロード可能 リンク

*3 HEC-HMS(Hydrologic Modeling System)とは,流域を複数の集水域が集まったツリー上のシステムと捉えて,その上流から下流までの降雨-流出過程をシミュレートするためのソフトウェアである.広範囲にわたる河川流域の地形的な空間分布とともに,都市域や各集水域の土地被覆状況を考慮して流出量を算出する.

*4 HEC-RAS(River Analysis System)は,一次元の水理解析を実行するためのソフトウェアである.定常流水面形状ならびに非定常流解析のコンポーネントが用意されており,河川の形状と流入量から水面形状の変動を計算する.


↓ 写真のお二方の著書

2008年8月2日土曜日

サンディエゴへ

月曜日から開催されるESRI国際ユーザー・カンファレンスへ出席すべく、米国北東部のボストン空港から、西海岸南部のサンディエゴ空港まで、Oさんとともにそれぞれ別のルートで向かう。

①自分
 航空会社: AirTran(アトランタをハブ空港として、米国東海岸を中心に就航)
 経由地:  アトランタ
 飛行時間: 6時間+乗継0.5時間
 飛行距離: 約2,400 miles

②Oさん
 航空会社: ユナイテッド
 経由地:  サンディエゴ
 飛行時間: 8時間+乗継1.5時間
 飛行距離: 約2,700 miles

①の経路の場合でも、バンコク⇒成田とほぼ同じ時間がかかる。(日本や米国西海岸からの)ボストンの遠さを実感。一方、ボストンからドイツ・フランクフルトまでは、直行7時間で行ける。日本で見る世界地図は、大西洋のところで切られらているため、距離感が分からないが、ボストンからヨーロッパへ行くのと西海岸へ行くのは似たような感覚なのだろうか?
機内ではそんなことを考えたり、カンファレンスでの発表の準備をしながら、午後、サンディエゴへ到着。予約をしていたホテルへ行ったら、「ダブル・ブッキングのため、(1日だけ)郊外のリゾート・ホテルへ泊ってくれ」と何の悪びれる様子もなく、フロントから一方的に通告される。"Sorry"のソの字もない態度に若干腹が立ち、自分が刃向っているのを大人Oさんのけん制によって丸く収まる、という楽しいプチ・ハプニングも発生。トラブルもまた旅行の醍醐味。


1998年、初めてESRI国際ユーザー・カンファレンスに出席した際に受けた衝撃と感動、その時の直感「GISって面白い。今後の世界で必要な、一つの重要なツールとなるだろう!」が今の自分(仕事)に大きな影響を与えた(激しい思い込みが得意な、理工系に不向きな直感人間です。なので科学論文は落ちまくりです(苦笑))。

今回は、初出席からちょうど10年の節目に当たる年。西方のボストンからの参加ということで、今までとは心持が大きく違う。
今年のカンファレンスでは、どのような発見や感動、そして出会いが待っているのだろう。今後10年、そして、それ以上の自分の人生、そして研究生活に役立つような何かを探索するつもりで、カンファレンス期間中は、いろんな人に会ったり、有用な情報を収集すべく、頭と体をフル回転にしてアクティブに動き回ろう。


(いつものことだが、またもや極めて主観的・感覚的な文章。。。せめて、カンファレンスの期間中は、誰かの役に立つような、客観的で有益な文章を書くように心懸けよう[自己反省])

<写真・上 AirTran航空機@ボストン空港>
<写真・中 急遽、内陸のリゾート・ホテルへ>
<写真・下 ホテルでくつろぐ、大人O氏>