3月15日から、
第5回世界水フォーラム
(16日~22日:⇒リンク)+αのため
トルコ共和国 に来ている。
水フォーラムの最中やその後の日々も、
毎日何かと余裕がなく、
全然ブログがアップできていない…。
気がついたら(?)、本日がトルコ最終日で、
明朝にはイスタンブールを出発して、
米国へ向かう。
今までの経験からして、
書きたいことが溜まればたまるほど、
それに対処できなくなり、
最終的に何も書かないまま終わってしまう。
今回のトルコもそれになりかねない。
これからは文章を少なくして、
もっとマメに書いていけるような
日記スタイルを目指して見ようかな。
2009年3月11日水曜日
今期2回目の講義
今期2回目(こちらにやってきて3回目)の講義をやらせてもらった。
「Engineering Sciences 165: Introduction to Environmental Engineering」(担当:Prof. P. Rogers)という、主に学部1,2年生を対象に、水資源管理を中心とした環境工学の基礎を教える講義である。自分は、「GIS and Environmental Management」という一回分の講義を担当(90分)。
小さなクラスなので、学生数は15人程度。
男女比は1:1。理工系クラスなのにアジア系は少なく、ややビビる。
90分の講義は以下のように構成。
-------------
1. Introduction
2. Fundamentals of GIS
- Principles
- Feature Representation
- Spatial analysis and modeling
- Summary
3. An application for Environmental Management
- Overview of the environmental application
- Arc Hydro data model
4. Current and future trends of GIS and Modeling
-------------
ほとんどGISを知らない学部1,2年生を対象に、
「GISとは?」から始まり、「Arc Hydroデータモデルとその応用」までを
90分で説明するという、荒技を試みた。
これは、無免許の人に、ハンドルの握り方から、
ドリフト走行(車をスリップさせて走らせる)のやり方までを
一気に教えるようなものだ。
そもそも、GISの基本を説明するだけでも大変なのに、
さらにその先のArc Hydroデータモデルまでも含めるのは、
無謀なのは承知している。
確実に、“内容過多”であろう。
しかし、逆にそこまで踏み込まないと、
活きのいい学部生にとって物足りないのでは?と思われる。
そこで、それを見極めるためにも、
敢えて情報過多の講義へ挑戦することにした。
加えて、前回の講義の成果などから( ⇒3/1 ライブ感のある講義)、
できる限りインタラクティブ(双方向的)な講義になることも
心がけた。
そして3月11日、何とか90分をやり遂げた(汗)。
仕方ないことだが、講義中、
何人かの学生は自分のノートPCに夢中になっていたり、
ウトウトと眠っていたりもしたが、
何人かはずっと熱心に聞いてくれた。
今回は、講義の前に学生にコメントシートを配って、
「無記名でいいので、正直に思ったことを記入してくれ!」と、
授業内容や進め方について意見を書いてもらった。
その結果、多くの学生がGISの有用性と重要性を理解してくれたようだ。
(もちろん、どの程度本気なのかは不明だが…)
以下、コメントの抜粋
・Visuals are fantastic!
⇒パワー・ポイントのスライドは、分かりやすいと好評であった。
まさに、GISの得意なところ。
・Very well documented!
⇒授業準備に対する努力は、評価してもらえたようだ。
・Avoid reading slides words for word.
⇒“スライドの文字をそのまま読む”ことに対して、
沢山の学生からダメだしされた。
もちろん、"文字のじか読み = NG" なのは分かっているが、
90分講義だと、どうしてもそのような箇所ができてしまう…。
⇒「もっとGISの生デモンストレーションを増やしたり、
スライドの文字を大幅に減らし、箇条書きで端的に整理し、
自分の言葉で、関連事項を話すことで、この講義はもっと楽しくなる」
と親身にアドバイスをくれる学生もいた(涙)。
ただ、、、分かってはいるんだけど、自分の能力がねぇ、、、。
・「英語での講義が大変なのはよく分かるが、
講義の流れがスムーズになるよう、もっと練習した方が良い」
⇒実際のところ、原稿を読みながらの練習は何回もやったが、
原稿なしの練習は不十分であった。
次回は、いきなり「原稿なし練習」から始めてみよう。
(「原稿付き練習」、その後、「原稿なし練習」は、時間効率が悪い気がする。
一方、原稿なしから始めるとと、文法めちゃくちゃでの喋りに終始しそうな懸念もあり、悩ましい。)
・A two-part lecture would be more appropriate.
2人の学生から、「講義の情報量が多すぎ」「2回に分けた方が良い」との意見があった。
やはり、一つの講義でArc Hydroまでもっていくのは、やり過ぎであった(反省)。
途中、一つの質問に対して、時間をかけて回答してしまったため、
講義の最後の方は、時間が足りなくなり、駆け足になってしまった。
(=学生が質問をする機会がない)
インタラクティブな講義を目指すならば、
講義内容を大胆に削って(⇒絞り込んで)、
質問と回答の時間を大幅に取るべきだ。
講義時間の1/4は質疑応答に確保するのことを目指そう。
ちなみに、本講義中の質問は、以下の2つであった。
「Google Maps, Google EarthはGIS?」
「modelという用語の使い分けが分からない」
(講義中、Feature model, Spatial model,
Data modelと3種類、モデルと言う用語が出てきたので。)
前回の講義(⇒3/1 ライブ感のある講義)は、GISに強い興味を持つ大学院生が対象だったから、
10個以上の質問が矢継ぎ早に飛んできたが、
GISの存在すら知らない学生を対象とする場合は、
もっと学生を講義に巻き込む仕組みが必要だ。
次回は、3月31日に別のコースにて、
「リモートセンシングの基礎」を講義する。
今度は、大教室にて、約80名の学部1,2年生を対象にするので、
以下の二つを最重要課題にして、講義に挑もう。
・ スライドのじか読みは避ける
・ 学生をもっと引き込んで、質問しやすい雰囲気を作って、
最低でも4つは質問させる
↓今はもうやっていないので、自分は受講できなかったけど、
当時(つい数年前)は、ハーバード学部生の1/3は受講していたという、
超人気講義。
「Engineering Sciences 165: Introduction to Environmental Engineering」(担当:Prof. P. Rogers)という、主に学部1,2年生を対象に、水資源管理を中心とした環境工学の基礎を教える講義である。自分は、「GIS and Environmental Management」という一回分の講義を担当(90分)。
小さなクラスなので、学生数は15人程度。
男女比は1:1。理工系クラスなのにアジア系は少なく、ややビビる。
90分の講義は以下のように構成。
-------------
1. Introduction
2. Fundamentals of GIS
- Principles
- Feature Representation
- Spatial analysis and modeling
- Summary
3. An application for Environmental Management
- Overview of the environmental application
- Arc Hydro data model
4. Current and future trends of GIS and Modeling
-------------
ほとんどGISを知らない学部1,2年生を対象に、
「GISとは?」から始まり、「Arc Hydroデータモデルとその応用」までを
90分で説明するという、荒技を試みた。
これは、無免許の人に、ハンドルの握り方から、
ドリフト走行(車をスリップさせて走らせる)のやり方までを
一気に教えるようなものだ。
そもそも、GISの基本を説明するだけでも大変なのに、
さらにその先のArc Hydroデータモデルまでも含めるのは、
無謀なのは承知している。
確実に、“内容過多”であろう。
しかし、逆にそこまで踏み込まないと、
活きのいい学部生にとって物足りないのでは?と思われる。
そこで、それを見極めるためにも、
敢えて情報過多の講義へ挑戦することにした。
加えて、前回の講義の成果などから( ⇒3/1 ライブ感のある講義)、
できる限りインタラクティブ(双方向的)な講義になることも
心がけた。
そして3月11日、何とか90分をやり遂げた(汗)。
仕方ないことだが、講義中、
何人かの学生は自分のノートPCに夢中になっていたり、
ウトウトと眠っていたりもしたが、
何人かはずっと熱心に聞いてくれた。
今回は、講義の前に学生にコメントシートを配って、
「無記名でいいので、正直に思ったことを記入してくれ!」と、
授業内容や進め方について意見を書いてもらった。
その結果、多くの学生がGISの有用性と重要性を理解してくれたようだ。
(もちろん、どの程度本気なのかは不明だが…)
以下、コメントの抜粋
・Visuals are fantastic!
⇒パワー・ポイントのスライドは、分かりやすいと好評であった。
まさに、GISの得意なところ。
・Very well documented!
⇒授業準備に対する努力は、評価してもらえたようだ。
・Avoid reading slides words for word.
⇒“スライドの文字をそのまま読む”ことに対して、
沢山の学生からダメだしされた。
もちろん、"文字のじか読み = NG" なのは分かっているが、
90分講義だと、どうしてもそのような箇所ができてしまう…。
⇒「もっとGISの生デモンストレーションを増やしたり、
スライドの文字を大幅に減らし、箇条書きで端的に整理し、
自分の言葉で、関連事項を話すことで、この講義はもっと楽しくなる」
と親身にアドバイスをくれる学生もいた(涙)。
ただ、、、分かってはいるんだけど、自分の能力がねぇ、、、。
・「英語での講義が大変なのはよく分かるが、
講義の流れがスムーズになるよう、もっと練習した方が良い」
⇒実際のところ、原稿を読みながらの練習は何回もやったが、
原稿なしの練習は不十分であった。
次回は、いきなり「原稿なし練習」から始めてみよう。
(「原稿付き練習」、その後、「原稿なし練習」は、時間効率が悪い気がする。
一方、原稿なしから始めるとと、文法めちゃくちゃでの喋りに終始しそうな懸念もあり、悩ましい。)
・A two-part lecture would be more appropriate.
2人の学生から、「講義の情報量が多すぎ」「2回に分けた方が良い」との意見があった。
やはり、一つの講義でArc Hydroまでもっていくのは、やり過ぎであった(反省)。
途中、一つの質問に対して、時間をかけて回答してしまったため、
講義の最後の方は、時間が足りなくなり、駆け足になってしまった。
(=学生が質問をする機会がない)
インタラクティブな講義を目指すならば、
講義内容を大胆に削って(⇒絞り込んで)、
質問と回答の時間を大幅に取るべきだ。
講義時間の1/4は質疑応答に確保するのことを目指そう。
ちなみに、本講義中の質問は、以下の2つであった。
「Google Maps, Google EarthはGIS?」
「modelという用語の使い分けが分からない」
(講義中、Feature model, Spatial model,
Data modelと3種類、モデルと言う用語が出てきたので。)
前回の講義(⇒3/1 ライブ感のある講義)は、GISに強い興味を持つ大学院生が対象だったから、
10個以上の質問が矢継ぎ早に飛んできたが、
GISの存在すら知らない学生を対象とする場合は、
もっと学生を講義に巻き込む仕組みが必要だ。
次回は、3月31日に別のコースにて、
「リモートセンシングの基礎」を講義する。
今度は、大教室にて、約80名の学部1,2年生を対象にするので、
以下の二つを最重要課題にして、講義に挑もう。
・ スライドのじか読みは避ける
・ 学生をもっと引き込んで、質問しやすい雰囲気を作って、
最低でも4つは質問させる
↓今はもうやっていないので、自分は受講できなかったけど、
当時(つい数年前)は、ハーバード学部生の1/3は受講していたという、
超人気講義。
2009年3月6日金曜日
ESRI Podcasts
Speaker Series > Interviews with ESRI Staff の
以下の二つを聞いてみた。
The Scientific Context for Analysis and Modeling with ArcGIS (9分)
—Dr. David Maguire, Chief Scientist, ESRI
Water Seminar Series (14分)
—Chuck Cmeyla, ESRI Public Works Industry Solutions Manager at ESRI
やはり他の分野の話題に比べて、単語が耳に入ってくるし、状況がイメージしやすい。
GISユーザが英語を勉強するのに最適かも。
ESRI Podcasts
http://www.esri.com/news/podcasts/index.html
↓ 「発音&リスニングはGISでマスター」でしょう!
以下の二つを聞いてみた。
The Scientific Context for Analysis and Modeling with ArcGIS (9分)
—Dr. David Maguire, Chief Scientist, ESRI
Water Seminar Series (14分)
—Chuck Cmeyla, ESRI Public Works Industry Solutions Manager at ESRI
やはり他の分野の話題に比べて、単語が耳に入ってくるし、状況がイメージしやすい。
GISユーザが英語を勉強するのに最適かも。
ESRI Podcasts
http://www.esri.com/news/podcasts/index.html
↓ 「発音&リスニングはGISでマスター」でしょう!
2009年3月1日日曜日
ライブ感のある講義
先週、こちらにやってきて2回目、
今期初の講義をやらせてもらった。
「Spatial Models」という行政大学院での講義にて、「リモートセンシングの基礎」について、90分間を担当した。
これは、昨年別のクラスでやらせてもらった講義であり、去年の今頃は相当な時間をかけて講義資料を作ったこともあって、今回の講義は気持ち的にだいぶ楽だった。
(⇒2008年4月4日「初講義 ~ Before その1」)
今回は、少人数の大学院生のクラスだったこともあって、講義の間、10個以上の質問があった。
基本的に、米国では講義中、学生がバシバシ質問してくるので、教える方としては結構辛い面もあるのだが、逆に、学生の興味のツボや不明な点がダイレクトに伝わってきて、とても勉強になる。
自分が抱いている関心の方向と、学生のそれとは異なることもあるし、
自分の教え方が不十分な箇所も浮き上がってくる。
また、学生の質問によって、当初自分が想定していなかった方向に話が展開し、
講義にふくらみが出てくることもある。
自分が知る限り、ハーバードの教授たちは、できる限りインタラクティブ(双方向的)な講義を展開するように、心がけているようだ。例え、大人数の教室でさえも、学生が質問しやすいように配慮しながら、授業を進めているようだ。
もちろん、学生のためを思っての配慮なのだが、同時に、教授も、講義中の学生からの質問を通して、新しい視点や発想などを手に入れているようにも思われる。やはり、講師が90分ひたすらしゃべるだけの講義では、持っている知識の発散に終始し、講師自身、講義から獲得できるものはほとんどなく、自分の成長につながらない。
そして何より、学生と一緒に講義を進めている感じがして、教えること自体も楽しくなってくる。もちろん、学生も自分たちの質問に応えてもらうことで、より身を乗り出して話を聞いてくる。
とても大げさな言い方であるが、
ハーバードには「ライブ感」のある講義が多い。(きっと他の大学もそうだと思うけど、分からないので敢えて限定)これは自分だけではなく、こちらで会った日本人やアジア人が多く言っていることだ。
以前は、「講義中に、学生の質問を受け付けるなんて、なんて面倒くさいっ!」と思っていたが(スミマセン)、きっと教える側の“成長”のため、“モチベーションを上げる”ために、必要不可欠なことかもしれない、と思ってきた。
今期は、あと2回講義をすることになっている。
去年の初講義の際は、講義の前はものすごくビビっていたし、
講義の間も終わらせることが必死で全く余裕はなかったが(実際、ほとんど記憶なし(笑))、今年は楽しみながら、学生ともっと深くつながれるような(!?)、
講義に挑んでみよう。
≪写真・夜のライトアップされたキャンパス≫
↓ 去年、YouTubeで見ました。
理想の講義の一つかもしれません。
今期初の講義をやらせてもらった。
「Spatial Models」という行政大学院での講義にて、「リモートセンシングの基礎」について、90分間を担当した。
これは、昨年別のクラスでやらせてもらった講義であり、去年の今頃は相当な時間をかけて講義資料を作ったこともあって、今回の講義は気持ち的にだいぶ楽だった。
(⇒2008年4月4日「初講義 ~ Before その1」)
今回は、少人数の大学院生のクラスだったこともあって、講義の間、10個以上の質問があった。
基本的に、米国では講義中、学生がバシバシ質問してくるので、教える方としては結構辛い面もあるのだが、逆に、学生の興味のツボや不明な点がダイレクトに伝わってきて、とても勉強になる。
自分が抱いている関心の方向と、学生のそれとは異なることもあるし、
自分の教え方が不十分な箇所も浮き上がってくる。
また、学生の質問によって、当初自分が想定していなかった方向に話が展開し、
講義にふくらみが出てくることもある。
自分が知る限り、ハーバードの教授たちは、できる限りインタラクティブ(双方向的)な講義を展開するように、心がけているようだ。例え、大人数の教室でさえも、学生が質問しやすいように配慮しながら、授業を進めているようだ。
もちろん、学生のためを思っての配慮なのだが、同時に、教授も、講義中の学生からの質問を通して、新しい視点や発想などを手に入れているようにも思われる。やはり、講師が90分ひたすらしゃべるだけの講義では、持っている知識の発散に終始し、講師自身、講義から獲得できるものはほとんどなく、自分の成長につながらない。
そして何より、学生と一緒に講義を進めている感じがして、教えること自体も楽しくなってくる。もちろん、学生も自分たちの質問に応えてもらうことで、より身を乗り出して話を聞いてくる。
とても大げさな言い方であるが、
ハーバードには「ライブ感」のある講義が多い。(きっと他の大学もそうだと思うけど、分からないので敢えて限定)これは自分だけではなく、こちらで会った日本人やアジア人が多く言っていることだ。
以前は、「講義中に、学生の質問を受け付けるなんて、なんて面倒くさいっ!」と思っていたが(スミマセン)、きっと教える側の“成長”のため、“モチベーションを上げる”ために、必要不可欠なことかもしれない、と思ってきた。
今期は、あと2回講義をすることになっている。
去年の初講義の際は、講義の前はものすごくビビっていたし、
講義の間も終わらせることが必死で全く余裕はなかったが(実際、ほとんど記憶なし(笑))、今年は楽しみながら、学生ともっと深くつながれるような(!?)、
講義に挑んでみよう。
≪写真・夜のライトアップされたキャンパス≫
↓ 去年、YouTubeで見ました。
理想の講義の一つかもしれません。
登録:
投稿 (Atom)