2008年2月26日火曜日

受け入れ決定の経緯

現在、お世話になっているPeter Rogers教授から受入許諾のメールをいただいたのは、
ちょうど一年前の今日。
面接(?)のためにやってきたハーバード大学のキャンパスで、「ダメかもしれない。どうしよう。。」と途方に暮れているときに、受け取ったPeterからのメール。『捨てる神あれば、拾う神あり』。
Peterおよびお世話になっている大勢の方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも頑張ろう。

以下、当時の上司などに送ったメール(2007)より。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
川崎です。今、ボストンにいます。
こちらは街一面、雪が降り積もっています。

さて、本来であれば、本日、帰国することを予定しておりましたが、
以下の理由から帰国日を3/7に延長させていただきます。
誠に勝手でございますが、ハーバード大にて、全く予想外の展開になりました。また、日本の現時点での諸業務ならびに帰国後の研究活動に支障をきたさぬよう、こちらでも仕事を続けており、皆様にご迷惑をおかけしないよう、最大限の努力をいたします。

結果としては、ハーバード大学環境センターにて、都市・地域計画を専門とするPeter
Rogers教授のもとで研究をさせてもらえることがほぼ決まりました。Rogers教授は、東アジア越境水環境や国際河川流域の専門家として学際的環境研究を進めており、ハーバード大地理解析センター(CGA)の運営委員でもあります。
この先生およびCGAと協働体制を組むことで、〇〇研究の国際展開へ寄与していくことを考えておりますので、ご容赦いただけますよう、よろしくお願いいたします。

ハーバード大学での状況説明
----------------------------------------------------------------------------
1.ハーバード大学The Center for Geographic Analysis(CGA)での面談:

2週間前に、履歴書、研究計画、推薦書などを送付した上で、
CGAセンター長Prof. Peter Bol、研究ディレクターDr. Wendy Guanと面談しました。
横国大および僕の研究活動に強い関心を持っていただき、とてもよい感触でした。
しかし、以下の理由からCGAでは客員研究者の受入ができない、との回答でした。

・設立されてから間もない小さなセンターであり、権限もスペースも限られている。
・センターには、フルタイムのスタッフが数名いるが、Facultyはセンター長、
ただ一人である。
・ハーバードにて客員研究者を受入れるためには、Faculty(助教授以上)に
スポンサーになってもらう必要がある。
・スポンサーとは、金銭的援助を意味するわけではなく、
 ①ハーバード側の受入研究者として各種の責任を持つ、
 ②研究スペース、PCなどの研究支援資源の提供、
 ③ビザの発給やハーバード内の保険に加入するためのIDを発行すること、
などなど広範にわたって、客員研究者を支援するものである。
・センター長の専門は、「東南アジア史」であるため、あまりにかけ離れた研究テーマを
持つ僕のスポンサーになるのは難しい。

よって、『僕の研究テーマとの接点があるハーバードのFacultyを見つけ出して、その人にスポンサーになってもらう。その上で、CGAとコラボレーションをする』、という結論に至りました。
2週間前に書類を出しているので、その時点で言って欲しかった、という思いもありますが、とりあえず、僕の研究テーマに近い2名の研究者を紹介してもらいました。
- Peter Rogers, Division of Engineering and Applied Sciences, Gordon
McKay Professor of Environmental Engineering and Professor of City and
Regional Planning
- 〇〇 △△, Graduate School of Design, Adjunct Associate Professor

----------------------------------------------------------------------------
2.Faculty探しに奔走:

・多忙なハーバードの教授と直ぐにアポイントを取れる訳もなく、Prof.Peter Rogersは
出張中とのこと。
・しかし、運良くAdjunct Assoc. Prof. 〇〇 △△とはアポイントが取れました。
・その他、「ハーバードのWebサイトで、関連がありそうなFacultyを探した方が良い」
とのアドバイスを受けましたので、ひたすら人物探しをしました。

----------------------------------------------------------------------------
3.Adjunct Assoc. Prof. 〇〇 △△との面談→断念:

・彼は、Graduate School of Designに所属していますが、「流域環境に
おける人間活動と生態系の関係」という、まさに僕にぴったりの研究テーマを進めて
おり、関連の書籍も多数出版していました。
・そこで僕の方でも自分の研究を紹介し、彼からも共感を得てもらいました。
・しかし、Adjunct Assoc. Prof. の身分である彼はテニュアを持っておらず、今年
いっぱいしか任期が残っていない、とのこと。しかも、次の職場が見つかり次第、
直ちにハーバードを去るつもりなので、スポンサーは引き受けられない、とのことで
した。当然だと思います。。

----------------------------------------------------------------------------
4.その他のFacultyへのアプローチ→上手くいかず:

・GIS関連の先生を探しましたが、ほとんどがLecturer, Dicector,Analyst,Specialitなど
のFaculty以外のポジションでした。ハーバードには職員が10,000人いますが、
Facultyの数が如何に少ないのかを実感しました。
・CGAの方でも同じく、僕の受け入れ先を探してくれました。数人の先生方に
アプローチをしてくれましたが、僕の研究テーマとマッチする人はいなかったみたいです
・ボストンでは、少し日程的な余裕があったので、CGAのスタッフの協力のもと、
残りの時間を全てFaculty探しに充てましたが、全く上手くいかずに、八方ふさがりな
状態に陥りました。

----------------------------------------------------------------------------
5.Rogers教授からの突然の連絡:

・最終日の残り時間が少なくなってきて、あきらめかけた時に、突如アリゾナの
Rogers教授からメールをいただきました。
・「CGAセンター長Prof. Peter Bolから連絡をもらった。2007~2008の間、研究員として
受入れます。机やPCなどは当方で用意するので、受入の手続きはCGAと連携して
進めて欲しい。3/5にハーバードへ戻るので、もし可能であれば面会したい」

----------------------------------------------------------------------------
6.面談および今後の準備活動:

・よって、3/5にRogers教授と面談を行い、3/6に出国、3/7に帰国することに決めました。
・J-1ビザ(研究・交流)を取得するためには、ハーバード大およびスポンサーに証明書を
作成してもらう必要があります。その書類などを事前に用意しておこうと思います。
・(既に何度も行っていますが)再度CGAに出向いて、今後の申請準備やその後の研究
計画についても、打ち合わせを重ねながらできる限りの準備を進めておこうと思います。